Air pollution Tokyo Ⅳ, 2022
顔料、岩絵具、膠、錆和紙、和紙
点描画の歴史から着想を得て、時間の重なりにより、一つ一つのセルが大きな奥行きとなって現れる現象を表現した「Overlap」の派生として、人間の文明の発展と共に徐々に汚染されていく大気を描いた。また、ドリッピンングの技法から派生し、絵具そのものを粒子状に下方向へ吹き付けることによって生まれる奥行きによる画面を構成する。一見すると美しい茜色の夕陽は人類の文明の発展と共に汚染された大気層でできる景色でもある。美しい都会の景色にはそのような真実が含まれ、それは良い悪いという問題とも違い、それを受け入れながらも人間として生きていかなくてはならないという「想い」である。そして自身も含めた新しい世代は、前代の残したあらゆる問題と付き合いながら生きていかなくてはならないだろう。