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Exhibition ー ORIGIN ー

Exhibition Flyer


Exhibition Flyer

– ORIGIN –

わたしの幼少期は、自身の存在の淋しさに支えられていたように思います。
なぜなら、その淋しさの中で見た自然との時間は、森や林で眠ったり、夜中に先も見えない真っ暗なアスファルトの路面で星を眺めているうちに自然の仕組みや、その巨大さや、物質同士の穏やかな繋がりを、静けさのなかで子どもながらに「これは世界の本当のことだ」と理解したからです。
それは、半分子どもの夢物語のような稚拙な理解だったのかもしれません。
しかし、その当時の感覚が過去から、そして現在、未来までのわたしをどんなに救っているかわかりません。

四季のあるこの国で、樹林が紅葉し枯れ、幾重にも表土に積み重なっていく。
「何故、わたしが生まれて何年も経つのに、落ち葉が積み重なる地面はちっとも高くならないのだろうか。」
その問に対する行動はとても単純で、わたしはそれから時間を見つけては森や林へ行き、地面へ寝そべりじっと表土を観察して遊んでいました。
蟻が、昨日か一昨日死んでしまったアゲハ蝶を少しずつ噛み切って運んでいる。
一ミリにも満たない小さな虫が、葉っぱと土の間を蠢き回っている。
秋の終わり、森や林の地面はとても甘い豊かな香りが立ちこめる。
そして、葉が微生物や虫たちによってバラバラに分解され、ついには土へと還っていくことを知ったとき、わたしにとってこれこそが世界の本当なのだ、と深い安心感と共にあったことを記憶しています。
それはとても穏やかで、静けさに満ちた瞬間でもありました。
しかし、当時のわたしにはその興奮を言葉で表現することはできませんでした。
ですが、そのような自然に対する問いかけと発見が、今日のわたしの表現に繋がっていることは、わたしの精神をいつも好奇心と優しさで満たしてくれるのです。

[ 個展開催のお知らせ ] 



この度、さいたま市からご依頼とサポートをいただき、個展を開催させていただきます。会場規模は400平米近くある大きな空間で、過去作品を含めて新作の展示をさせていただきます。



やや不思議な場所にある建物ですが、商業タウン、図書館、市役所、コミュニティー、クリエイティブスペース、ギャラリー、とが一体型となった施設です。
私が今まで住んだ地域の市役所の概念を覆すような、開かれたデザイン、そしてアートに対する惜しみない投資にただただ驚きです。
このような機会をいただきありがたいです、、。

皆様のお越しを心よりお待ちいたしております。

Exhibition Domain of Art 28

ー ORIGIN ー

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ごあいさつ
本日は、さいたま市 プラザノース「Domain of Art 28 伊藤咲穂展 Origin」にご来場いただき、誠にありがとうございます。
 伊藤咲穂は、幼少期に育った自然環境での体験からくる静けさを原点に、独自の漉き方でつくる錆和紙(Sabiwashi)や、絵具、岩絵具、墨、などを用い平面、立体、インスタレーション作品等を国内外で発表しています。

伊藤から生まれるアートワーク やイメージはしばしば土地の素材や風土からの影響を強く受けています。
それは昨今の持続可能な社会か求められる現代において、「循環していくこと」や「錆びていくこと」「朽ちていくこと」「老いていくこと」「土へ還っていくこと」に宿る美しさや、民族性に由来する情緒、自然環境と人々の共存について問いかけられているようでもあります。

 2017年にはユネスコ無形文化遺産に登録されている石州和紙の紙漉き技術や素材である「楮」の育て方を職人の元で一から学び、学部時代からの研究素材であった「和紙」を独自の技法で漉く錆和紙(SabiWashi)」を考案しました。
その素材は伊藤の作品の主材として多く使用されるものの一つです。
錆和紙(SabiWashi)」とは、手漉きをする際に和紙の原材料となる楮(コウゾ)や三椏(ミ ツマタ)などに金属の鉱物を混ぜながら作ることによって自然酸化した錆と和紙の繊維が合わさったものです。
私たちにとって錆る現象は一見すると新しいものから古いものへと変わってしまう過程のように感じられると思いますが、彼女はその現象を「錆を育てる」や、「物質が安定状態にある」と表現しています。
錆和紙を漉くために必要な素材の一つとなる砂鉄は、伊藤の故郷・島根県の河川や海で自ら採取し、楮は石見地方で育てられたものを使用するなど、素材とのつながりを大切にしています。

 本展覧会では、伊藤の創作の原点とも言える「静けさ」をテーマに自然との繋がりや、対峙を示唆するような作品を大型インスタレーションをはじめ、本展覧会で初の発表となる平面の大作、また、伊藤が山梨に構えるアトリエ近くの川原に実在する岩石を和紙で型取った立体作品等、新作を交えた作品をご紹介します。

1300年より前から現代に至るまで職人の手仕事として伝えられてきた「和紙」に、伊藤咲穂は現代アートとしての再価値を見出す挑戦を続けてきました。
積み重ねてきた時の流れや、移ろい、神秘的な自然の静寂さを感じさせる作品は、時代の移り変わりや生命のサイクル、自然との共生について私たち鑑賞者に改めて考えることを促すでしょう。
それは昨今海外で大きく評価されている「禅」の思考に見る東洋的な精神性や神秘性とも深く繋がっていることに気づきます。
生み出された作品との対話を、ゆっくりとお楽しみください。

2022 年 2 月
さいたま市 プラザノース
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・ワークショップ「 1000年後に生きる人々へ向けて、和紙で紡ぐ言葉 」

・WSに使用させていただいた和紙は、島根県の石州和紙/和紙の研修にて一年間お世話になった石州和紙 久保田の久保田総氏の三六版サイズの大版和紙。
石州和紙 久保田 https://sekishuwashi.jp/



[ 情報 ]

期間: 2022.2/26(sat) 〜 3/21(mon)

◎レセプション: 2月26日(sat)

16:00受付

16:30レセプション
開始
さいたま市のお菓子作家さんによるケータリングなどをご用意しております。
(感染状況により変更がある場合は、SNS、HP等でお知らせいたします。)

展示

時間: 10:00〜17:00

※ 2/28(mon), 3/14(mon)は点検のため閉館

(ご来場の際はお気をつけくださいませ。)

入場料: 無料

主催: さいたま市プラザノース / ノースギャラリー4-7

お問い合わせ: プラザノース総合インフォメーションカウンター

場所: 〒331-0812

   埼玉県さいたま市北区宮原町 1-852-1

   TEL. 048-653-9255

Posted on 2022/01/11 12:34 by 伊藤 咲穂

武蔵野美術大学 msb! magazine 掲載

この度、作家の母校、武蔵野美術大学の情報誌に5ページのロングインタビューが掲載されております。
下記URLよりPDFデータにて冊子内容をご覧いただけます。
https://www.msb-net.jp/_Web掲載_PDF

Posted on 2021/06/18 20:07 by 伊藤 咲穂

阪急MEN’S大阪 公式HP インタビュー動画掲載

12月9日(水)~12月22日(火)に、大阪梅田にある阪急men’s大阪にてTAGBOAT gallery主催の展示に参加しております。

場所:阪急MEN’S大阪 3階プロモーションステージ31
展示詳細: http://tagboat.co.jp/tagboatartshow-hankyumensosaka/
テーマ: 「 STAY SHINING 」
PART.2: 12月9日(水)~12月22日(火)

阪急さんのHPに制作や展示についてのインタビューを大々的に告知いただいております。

インタビュー動画:https://youtu.be/oEaGc-S1QUg
阪急Men’s大阪:公式ページ https://www.hankyu-dept.co.jp/mens/

Posted on 2020/12/11 19:43 by 伊藤 咲穂

TAGBOAT 取り扱い/作品の購入情報

この度、gallery TAGBOATの取り扱い作家としてご紹介いただいております。
新作の発表や、国内外の活動に参加しております。また、TAGBOATのサイトから作品をご購入いただくことも可能です。
作品詳細情報/information

Posted on 2019/09/28 17:59 by 伊藤 咲穂

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