素材:楮、鉄、銅、膠、和紙、澱粉糊等、柿渋、虎目石/技法:平安時代から続いていると言われる伝統芸能の石見神楽(主に神社仏閣で奉納の舞として神様に捧げる、または地域の行事として行われる)という神社等の祭事で使用される神楽面(和紙のお面)の制作技法からヒントを得て、自身の錆和紙と組み合わせることによって生まれた立体作品。中は空洞。
私は、幼少のときから、何かよくわからないものと話していたように思う。それが頭の不具合によって引き起こされていたのか、寂しさや不安を紛らわすためにあったのか分からないけれど、そのことが今でも、自分自身の内側の静けさを保つ大きな力となっていると思う。人の気が集まる場や、自然の中に息を潜めて生きている何か美しい存在がいる。目には見えないところで、世界を形づくり、バランスをとる存在が。
私は、その者たちを頑なに信じている。