Dead flowers 2016 VI

Dead flowers 2016 VI

2016
80.5x65cm
和紙、柿渋、膠/技法:柿渋と錆の化学反応

お墓に供えてある色とりどりの枯れていく華は、どうしてあんなにも妖艶なのか。小さい頃、お墓を見るのが怖かったのはそこに供えてある華の色気に、何か見てはいけないものを見てしまったような、な艶かしいものに思えたからだ。酸化反応の現象は、人間や生物そのものの老いや腐敗を感じさせる。色あざやかに水分を湛えている華よりも、枯れていく過程にエロティックで静かな美しさを感じる。

自身の制作過程で、草木染めの柿渋と鉄媒染からヒントを得て(柿渋の赤茶から、墨色へと変化する化学反応)、柿渋で描いた絵画を錆びさせることによってタンニンと鉄を反応させ、赤錆色と黒色による、地と図で絵を描いていくという新しい技法が生まれる。(柿渋とは平安時代から使われていたとされる天然塗料で、木、紙、布などに塗ると不溶性の強い被膜により、防水、防腐、防虫効果効果がある。)

Posted on 2021/06/19 19:22 by 伊藤 咲穂

search envelope heart star user close search-plus home clock update edit share-square chevron-left chevron-right leaf exclamation-triangle calendar comment thumb-tack link navicon aside angle-double-up angle-double-down angle-up angle-down star-half status image gallery music video category tag chat quote googleplus facebook instagram twitter rss